新緑の北海道!ベストシーズンぶらり紀行(後篇)

北の要所、札幌市に惚れ込み、毎月東京と北海道を往復する筆者。ついにマンションまで購入した入れ込み様は、札幌市民を見渡すと決して珍しい事例ではなかった。

札幌市内には3本の地下鉄が走る。そのすべてが大通駅で交差し、通勤する者、観光客、買い物連れといった人々の行き交いを軽妙にさばく。
その大通。地上に出ればテレビ塔や時計台など観光誌によく載る建物が、高層ビル群に交じる。
金融街でもある。北洋銀行をはじめ、北海道銀行やメガバンク、秋田銀行や岩手銀行といった東北の地銀、各種信用金庫や証券会社が競うように看板を並べる。

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市内中心部を南北に分断する大通公園を所在無げに歩いていると、たまたま「さっぽろライラックまつり」の会場にぶつかった。
ここは2月に雪まつりが開かれる公園でもあって、一年通して大小問わず何等かの催しごとが頻繁に行われている。さすがは観光立国、イベントには事欠かない。

世界各地のフードコートや雑貨店など粋な計らいを、ブラスバンドの演奏とともに楽しみながら人ごみの中を縫うように歩く。先ほどの真駒内とはうって変わった賑わいだ。

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その足で近くの赤れんが庁舎に立ち寄る。
ここに初めて足を踏み入れたのがちょうど一昨年前か。仕事の縁もあって札幌というそれまで立ち寄ったこともない北の大都市で、これから始まろうとしている半年ほどのプロジェクトに期待と不安を互いに交差させながら、地ならしに夜道を散策したあの頃、まさか自分が札幌市民として同じ場所に立つ日が来るとは思いもよらなかった。

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人と人との縁を頼りに生きる。そんな奔放な毎日の堆積が今の私を形作る。
居宅造りに世話になった地元の工務店の社長さんが口にした「歳を重ねると、何か事を起こそうとするときの踏ん張りが億劫になる、若さの最大の魅力は行動力だ」という言葉が今でも耳に残っている。

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私が札幌という街に惚れ込み、東京との二重生活を始めた理由はいろいろあるけれども、決定づけた一番の理由は自立的な都市機能にある。

内地(と土地の人はよく呼ぶのだが)から来た人が私のように札幌の魅力にとりつかれ、生活の基盤をこの街に移す例は意外に多い。毎年9千人前後の転入超過数を記録しているが、これは実のところ大阪市や名古屋市といった大都市圏のそれを凌駕している。

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食が豊かなのはいまさら言うまでもない。実直な人も多く仕事もやりやすい。明治以降開拓された歴史を持つので言葉のなまりも少ない。
車で1時間もかけずに山や海へ行け、観光立国として楽しませてくれる風景や施設にも事欠かない。余暇を楽しむゆとりもこの街にはある。

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しかしそうした長所を挙げながらも、最終的に住まいまで買うと決めた私の最大の理由は、札幌市がそもそも都会であるということだ。
人が集まれば物も集まる、行政が整備されれば様々な制度を活用したビジネスチャンスも生まれる。
今、札幌市がテーマに掲げる事業分野が4つある。食と観光、福祉、そしてIT(情報技術)だ。いわゆるリタイヤ組とは違い、日々食っていくことをまず考えなければならない私にとって、生業とするITで商売ができるかを何よりも重要視する。

先のLCCを使えば片道数千円で東京と北海道を移動できる。札幌市も都市化が進み、さつ駅(いわゆる札幌駅を人はこう呼ぶ)周辺も大丸を旗艦に都会的なものに造られた。時の政権も地方活性に肩入れしてくれる。人件費も安く市民は勤勉だ。健全なる精神は健康な肉体に宿るというが、食事やレジャーにも充実した毎日が送れる。
時代が味方した、といえば少々大げさかもしれないが、これからはますます個性を生かしたライフスタイルに世間の意識が寄せられるのでは、とそんな予感がする。

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札幌前篇はこちら

(小樽編へつづく)